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MSX転生工房

心理学の視点で観るべき映画

ツレがうつになりまして。
・身内から鬱が出たら、まず観るべき教科書的映画。コメディ調なので観やすいです。
・ハルさん「ツレがうつ病になった原因じゃなくて、うつ病になった意味は何か?」この思考はスピリチいや、前向きです。
・ハルの漫画が載ってる雑誌を配達、天井のシミ、不自然なバイバイ、カミソリで切る、視聴者だけが気付く布置。これをリアルで体験した人は、ユング心理学の世界へようこそw
・PCサポート業務でツレに負担をかけまっくてたおっさん(梅沢登美男)が講演会に現れて感謝の意を伝えたラストシーンは救われます。聴衆の盛大な拍手はツレや視聴者も感じていたストレスを浄化する効果がある。



吉原炎上
・古島財閥の御曹司、古島信輔(根津甚八)が本当の主人公ではないだろうかと、観終わってから思った。
・信輔は上田久乃(名取裕子)が初めての客から逃げ出した時に川岸で偶然知り合い、久乃の馴染み客になるが、彼は娼婦の様で娼婦でない死のアニマに憑りつかれた男だった。信輔は救世軍の活動をしていることからマグダラのマリアでの空想が影響しているのかも。もう少し彼についての情報が欲しかった。
・久乃が吉原の世界に染まり心まで娼婦になったことを悟った信輔は彼女から離れる。そして新しい女郎を見つけてその女と心中、吉原遊郭をぶっ壊し、アニマとの永遠の結合を果たす。



ラブファイト
・稔と亜紀は幼少期からの好き同士。それゆえ「好き」を知らない。
・そんな二人に「好き」を認識させる方法とは? なにげにショックだ。



箱入り息子の恋
・菜穂子(夏帆)の無垢な表情は男性のアニマを映しやすいようだ。観終る頃には彼女のファンになっているだろう。
・彼女の遠くを見ているような視線を見続けると、視聴者の記憶に関わる脳の器官の海馬にアクセスが集中します。そして、気付かぬ間に男性のアニマ像と彼女が結びついて、恋に落ちます。この原理はトラウマ治療にも応用されている。
・吉野家で牛丼を食べるだけの平凡な場面も菜穂子の存在が緊張感を維持させる。必見です。彼女が口いっぱいに牛肉をほおばることで視聴者の意識を味覚に集中させています。これが後々効いてくるのだ。



殿、利息でござる!
・ラストシーンでの視聴者の泣かせ方。
・まず笑いで涙腺を刺激します。そして次の場面で泣かせます。ありふれた日常の風景ですが、この映画のメッセージを理解する場面です。それまでの物語が感動を呼び起こします。



僕の彼女はサイボーグ
・男はアンドロイドの彼女を愛することができるか?
・アンドロイド彼女は叡智のアニマだろうか。女神アテナと比べてよいのか難しいので、アンドロイド的アニマとしておこう。
・もう一人の彼女が現れたとき、男は個性化を余儀なくされる。混乱を解決するため、集合的無意識から来るアニマ像を自覚しなくてはならないのだ。
・それに失敗すると、もう一人の彼女はサイボーグとなる。



壁男
・内でも外でもないミディアムな存在の壁。
・ミディアムの複数形はメディア。私たちはメディアを通して壁男を知ることができる。
・では、壁男そのもの、メディアそのものを見たことのある人は居るだろうか?
・つくりは安っぽいが、価値のあるオカルト・ホラーだ。



夢売るふたり
・人間にとって、最高の夢とは何か?
・結婚を夢見る女性達を騙して、小料理屋開業の資金集めをする市澤夫婦。しかし、彼らには盲点があった。
・新店舗完成目前で彼らの夢は、その「最高の夢」の前に脆くも砕け散る。
・新店舗にラーメン屋の店長が現れて、里子の覚悟を決めた表情、あれはホラーだ。警察が来てホント良かったw



インスタント沼
・一度、自分の行動や身の回りにある物を客観的に見てください。何か変なことに気付くはず。
・主人公のハナメの場合、ミロの食し方と折れ曲がった錆びた釘。
・「沼」のサンズイとクチでミロ。刀は錆びた釘。これは黒の招き猫の祟り、じゃなくて宝の在り処でしょうか。
・ジリ貧人生の原因は錆びた釘。ホント最悪、凶です。直ぐに手放すか新しいのにしてください。若くて元気な男性に。
・天に昇る龍は運勢の上昇を表します。



青鬼 ver.2.0
・シュンと杏奈のセカイ系と卓郎のファンタジー体験。実際に4人は屋敷に入っていません。屋敷内の出来事は卓郎が蝶を見た時に、彼が一瞬で体験したファンタジーなのです。ファンタジーについては「ロード・オブ・ザ・リング」を参照。
・「青鬼」はトラブル円満解決の兆候。「蝶」は成長や変化、人生の節目を暗示します。ユング心理学では「蝶」は男性の魂を表します。
・ひろしは天然ファンタジーキャラ?「今度は愛妻家」にも似たようなのがいたぞ。
・またいで侵入できる施錠された柵、いくら下りても続く階段、椅子に上らなくても手の届く所にあるアイテム。高さにユーモア有り。
・私が妄想した特典映像
 (1)卓郎がリセットに成功。「よし!」とガッツポーズするシュンだが、杏奈と手を繋いでいたことに気付いて目を合わす二人。ニコッとする杏奈。
 (2)部屋で杏奈に抱きついてしまったシュン。ショックで逃げた杏奈はひとりで屋敷へ。卓郎がαの扉から出て転落。翌朝、ネットニュースで5人の死亡記事を読むシュン。バッドエンド。
 (3)満開の桜並木を背景に6人揃って登校するラストシーン。



伊賀忍法帖
・あなたは男性です。あなたには将来を約束した女性Aがいました。また、Aには姿、顔が瓜二つの双子の姉Bがいました。
・ここで問題発生、Aの首と別の若い女性Cの首がすげ替えられた!
・あなたは、次の中から一人選ばなければなりません。さあ、どうする?
 (1)首A+体Cの女
 (2)首C+体Aの女(劇中では元のAに近い)
 (3)姉B
・Aはくノ一なのでラストシーンが術の完成?と思ったが、考え過ぎだろうか?原作未読です。



鬼龍院花子の生涯
・花子が主人公と思いきや、侠客の親分・鬼龍院政五郎がメイン。次に松恵、歌、花子の順。花子は「市民ハナーコ」的で物語は彼女の死から始まり、登場するのは50分過ぎ、しかも赤子。
・政五郎の破滅願望なのか、彼が連れてくる女性はことごとく自滅への道に通じてる。エロスとタナトスか。闘犬のトラブルが発端というのも面白い。さすが冥界からの使者。
・松恵(夏目雅子)の見得を切る場面が凄い。割れた骨壺の横で膝を着いている姿から既にカッコイイ。「グラディエーター」のマキシマスと甲乙つけがたい。



クリーピー 偽りの隣人
・「CURE」で名を馳せた黒沢清・監督作品。原作未読です。
・犯人の西野は言葉巧みに相手を騙し、薬でマインドコントロール、その家族を乗っ取る。警察をも手玉に取る男。
・元刑事、大学で犯罪心理学を教える高倉。未解決事件の捜査を趣味?で始める。謎解きに夢中になると人を顧みなくなる。
・高倉の妻・康子。西野に褒めてもらうために料理を作る承認欲求が強すぎる女。夏に前日のシチューの残りは迷惑だが、量から見て実は作り立て。まんまと西野の術中に陥る。
・偽りの西野の娘を演じる中学生・澪。学校も警察も頼りにならず、高倉夫妻に活路を見出す。
・これは推測:高倉と西野が警察に連行された後、澪は康子に西野を罠に嵌める作戦を話した。二人とも銃の引き金を引けない暗示を掛けられているので、高倉には暗示が効かないよう薬の量を調整。康子はベッドに縛られた高倉に作戦をうち明ける。暗示に掛かった振りをして、何でも人にやらせようとする西野の穴を待てと。
・ラストは竹内結子が総取り。これを見せるための2時間でした。
・高倉宅の壁にかけてある絵には視聴者を不快にさせるためのサブリミナルが仕込まれている。あれは絶対にゴキ。
・本物の西野夫妻は音響マニア?それで貯金が少ないとか?
・西野の話術のカラクリ
 (1)目標の相手を驚かせるなどして変性意識状態にする。
 (2)すぐさま褒めるなどしてドーパミン(脳内の快楽物質)を放出させる。
 (3)これを何度も繰り返すと、相手は西野の顔や声だけでドーパミンが出るようになる。
 (4)あとは何もしなくても相手から寄ってくる。



今度は愛妻家
・宇宙人が出ます。大小二体。既婚男性は要注意です。
・ラストの「行ってきます」が最高にカッコイイ。



起終点駅 ターミナル
・主人公の鷲田完治と結城冴子の関係が二度破綻した理由が謎。二度目はもろ中年の危機。
・椎名敦子の件は男のエロ妄想が始まったと思ったら原作は女性作家でした。おそらく鷲田と昼食を共にした敦子は父親への情を鷲田に転移。彼にコーヒーメーカーを贈るために仕事を頑張りすぎて体を壊した、ということにして無理やり納得。一方、鷲田も敦子のマニキュアを見て逆転移したが、家族愛の転移だった。これが良い結果に導いた。
・鷲田と隣に住む大村さんが対照的。浅い所でしか通じない鷲田に対して、大村さんは浅い所で通じないが深い所で通じてる。ゆえに結婚式の招待状や大事な手紙が大村さんの家へ行ったり、”最後のアスパラ”が出てくる。冷やし中華で合掌、仏壇で合掌。こんなの現実で体験すると怖くなる。
・小指は秘密を、薬指は恋人を表します。やはり冴子の秘密に深い闇を感じる。
・敦子(本田翼)の箸の持ち方は素か演出か?
・廊下で足の不自由な南先生とすれ違う場面にめちゃくちゃウケたw北野武の映画にありそう。
・サントラ良いです。エンドロールの歌でズッコケた、けどコンセプトは理解。



ヱヴァンゲリヲン新劇場版(序、破、Q)
・今頃になって、綾波レイが霊的アニマではないかということに気付いた。偶然にも前回取り上げた「いま、会いにゆきます」のヒロイン澪(みお)もそうである。
・アニマとは男性が求める理想の女性像のこと。ユング心理学でいうアニマ像は4段階あり、その3段階目が霊的アニマ。
・霊的アニマの代表的なイメージは聖母マリア。具体的には、母親としての愛と、乙女の清らかさが共存しているイメージ。つまり母であり処女である。
・綾波レイは、同級生であるシンジの母ユイのクローン。
・「いま、会いにゆきます」の澪は佑司の母親であり、秋穂巧(あいおたくみ)と結ばれる前の澪である。
・処女マリアは、誰とも交わることもなく、神の子を身ごもった。
・マリアと他の二人を比べると、生身の人間に対してクローンや幽霊か幻、連続した記憶に対して記憶が無いか不完全など、微妙に違う。レイ的アニマと言うべきか。



いま、会いにゆきます
・のっけから、ゆるさ全開のファンタジー。そのゆるさに着いて行けず序盤で脱輪。しかし2回目の視聴でその意図が分かる。引き締まった雰囲気にすると、重要なシーンがホラーに。
・雨の季節に澪(亡き妻)が戻ってくることは科学的にありえないと言う野口医師のTシャツの絵柄が逆さのカブトムシ。これはユングのスカラベの話で、共時的に起こりうることを意味します。ホントは患者にリラックスしてもらうための絵柄だと思うが、机にある写真から先生も妻に先立たれていそうだし、佑司くんが絵本を犬(冥界の使者)に見せてるし、もしや…
・次の面談ではユニオンジャックのTシャツ。これは澪が戻り、3人が一緒に居ることを示します。英国旗は野口先生が夢の中で写真の人から受け取ったものかも。十分ありえます。
・次に何が来るかとワクワクしてたら、なんとカラスが来た!太陽の化身、再生のシンボルである。これはもう偶然じゃないと、いつもは見ないエンドロールをガン見w すると医療指導・堤邦彦のクレジット。精神科医でした。
・実際に患者と治療者の間でこの様な不思議なことが起きるようです。心理療法士を目指している人は参考にしてもいいかもしれません。絵柄Tシャツを用意するとかじゃなくて、患者との距離感。まあ、実際は雨の季節に現れたのは澪の日記のみで、誕生日ケーキは巧が予約した、というのが現実的でしょう。
・純愛と家族愛のお涙頂戴ものですが、ラストで勇気と希望を感じます。アイデアの勝利。



世界の中心で、愛をさけぶ
・アニマの喪失感を味わいます。長澤まさみと森山未來コンビの力が大きい。
・対象年齢が幅広い。今回2回目の視聴では、重じいがサクから校長先生の遺骨を受け取る場面に感動。十数年後、今度はサクが重じいから亜紀の最後のテープを受け取る。こんな感じの映像の韻踏みで構成されている。
・サクの部屋にファミリーベーシックがあった。いや、そこはMSXだろ!とツッコミ。サクの返事「ええー?」がw
・廃墟の中の亜紀と沈む太陽が重なる画に浪漫と終末感。その翌朝、崖の上から手を振る亜紀に胸騒ぎ。
・髪が抜けた亜紀の姿は男性視聴者に高度のアニマを要求。肉欲のアニマ男子はすっかり蚊帳の外だろう。
・初見で拍子抜けしたラストシーンも2回目は納得。世界の中心とはサクの心の中だった。地元民からウルルの話を聞いて、地中の泉で精霊として生きるのは違うと感じたのだろう。
・未公開シーンの亜紀を見て、ボートでグラサンをかけてた理由が分かった。実際は現実的な女子高生で、品の無さに幻滅。この作品はロマンティック・アニマのファンタジーなのだ。



バベル
・外国人監督(特に某国)が撮る日本の場景は恥ずかしいことになりがちですが、この映画は良かったと思います。
・初見では、何でブラピがこの映画に出たんだろうと謎だったが、今回見て分かりました。いろんな意味で高い所に居る人たちの悲劇なんだろうと。
・チエコの嘘に背筋が凍った。刑事さんは呑気にお酒飲んでたけど彼女からの手紙の内容が気になる。たぶん父をかばう為の嘘だったのだろうけど、あのカメラの動きは緊張が走る。



アビエイター
・主人公ハワード・ヒューズは幼少期に潔癖症の母が唱えた「病気・伝染病・隔離」という呪文で強迫性障害を負う。しかし彼はそのコンプレックスを映画制作や飛行機開発に昇華していた。その後、飛行機事故の後遺症、ライバル会社との競争、陰湿な心理攻撃を受けるなどして疲弊、ひとりホテルに引きこもってしまう。
・キャサリンと別れた後に自分の服を全部燃やすのは儀式。私も儀式を行わないとダメなことがあるので分かる。どう見ても変人。
・瓶に入ったミルクに何かあると思ったら尿瓶だったw もしかするとミルクや蜘蛛の巣の様な部屋は、彼がグレートマザーの影響下にあることを示すための演出かもしれない。部屋から出るときもガールフレンド(人妻)が助けて、髭も彼女が剃った。
・突然サスペンス・ホラー調になる場面がある。音声解説によると、ハワードの難聴による被害妄想とのこと。



市民ケーン
・この映画を作ったオーソン・ウェルズ氏を支持します。才能の無いタレントを金の力でゴリ押ししたり、嘘の賞賛記事(ステマや捏造レビューなど)を書かせたりする行為が今でも続いているから凄い。日本版ケーンを作ったら100%袋叩きに遭うと思うけど、面白いので誰か作りなさい。
・私のような素人がこの映画について語っても仕方がないけど、面白かった場面について書きたい。
・主人公チャールズ・ケーンは母の遺品(その中に問題のソリがあったと推測)を見に行く途中で、スーザンと出会う。これが中年の危機の始まり。その時、ケーンは馬車が跳ねた泥をかぶり(社会から批判を浴びる暗示)、スーザンは歯痛で困っていた。虫歯は対人関係のトラブルを暗示。彼女の優しい言葉でチャールズは幼少期の母を投影。この後、彼は子供っぽくなる。
・スーザンの下宿部屋に心の宝物を映し出すスノードームがあった。チャールズが彼女に引き寄せされたのは心の宝物が同じであったこと。互いの無意識が反応したのだろう。恐らく彼女も彼と同じくアダルト・チルドレン。
・広大な城内を埋めるがごとく彫刻を収集するチャールズにシンクロするように毎日ジグソーパズルに没頭する妻。その妻にチャールズ曰く「まったく気がしれん、よく飽きもせずやるな」w



ナイトミュージアム2
・「アクビは伝染する」とよく言いますが、それはミラー・ニューロンのせいです。ミラー・ニューロンは脳の神経細胞で、他人と自分の心を映しあう機能をもっています。「鏡の神経」とも呼ばれます。
・つまり、前作と比べて物足りなさを感じるのは、主人公ラリーのリアクションと表情変化の乏しさにあると思った。
・劇中でヒロインに「あなたは楽しんでいない」と指摘されるのは脚本上の意図だが、メイキング映像によると、ゲスト俳優達が主演のベン・スティラーを笑わそうとアドリブ合戦をしていたようで、主役が気を使ってゲストの引き立て役になってしまった感がある。
・ラストシーンはとても良い。



イエスマン "YES"は人生のパスワード
・自己啓発ものや宗教のからくりを面白おかしく暴いた作品。主人公が宗教の枠を破って自由と幸福を掴み取るまでの物語。
・"YES"というパスワードは意外と真実かもしれない。
・"NO"と言うと災いに遭ってしまう仕組みは、潜在意識を利用した言葉のトリック。
・ロックバンド「ミュンヒハウゼン症候群」のゾーイ・デシャネルのボーカルが良いです。歌も上手い。特典の劇中歌5曲のMVが完成された上手さ!なので、彼女について調べたら音楽歴が長かった。



シザーハンズ
・雪が降らない町に人造人間のエドワードが来て、その町に奇跡を起こす恋物語。
・庭だけ手入れが行き届いている古城は、エドワードが財産よりも純粋な心を大切にしていることを表します。手がハサミということもありますが。
・エドワードとペグが出会う直前、イエスを抱く聖母マリアの絵がチラッと映るサブリミナル。
・エドワードが天使の氷像を彫って雪を降らせたクリスマスの夜、純白のドレス姿で舞うキムの手のひらに聖痕現象!エドの彫ってる姿がかわいい。
・ビルとペグ夫婦が良い。ちょっとズレてる温和な二人。
・「雪」は純粋、潔白、幸運を表す一方、孤独、無感情、不運も表します。
・古城、ハサミ、雪に共通する意味は「孤独」。
・何で手がハサミなんだろうと映像を見直したら、発明家が野菜裁断ロボットにハートのクッキーをあてがう場面があった。
・女性に人気のこの映画、エドワードの長い指が女性のリビドーを刺激して、彼に恋してしまうとか?
・ジョニー・デップのデビュー作です。インタビュー映像の彼は綺麗な顔の好青年という印象。



白雪姫(1937年 米)
・女王の嫉妬により、森の奥深くでガラスの棺に閉じ込められた白雪姫が自立するために内面的な「母殺し」をやり遂げる物語。王子の視点ならドラゴン退治の英雄神話。
・女王はネガティブマザー、森は無意識、棺は死と再生の象徴。まさに白雪姫は女王のコンプレックスとなる。
・冒頭で面白いのが、女王が鏡の前で語りかけると醜い男の顔が映り、白雪姫が井戸の中に向かって歌うとイケメン王子が現れる場面。鏡は内面を、井戸は潜在意識や可能性を表します。井戸に豊富な水があれば未来が明るい。白い鳩の群れも吉。
・女王の羽を広げた孔雀の玉座は虚栄心やプライドの高さを、7人の小人は白雪姫の心の未発達な部分や、夢見がちな部分を表す。
・原作の初版では、女王は白雪姫の実母である。のちに継母に変更されるが「女王」は実母と同様の意味を持つ。最後は王子と白雪姫の結婚式で、真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊らされた。
・また、白雪姫は王子のキスで目覚めたのではなく、彼の召使の一人が頭に来て、白雪姫の背中をド突いたことがきっかけ。その召使は破壊と創造をもたらすトリックスター。



ふしぎの国のアリス(1951年 米)
・超有名タイトルなのに原作も未読。たまたまセールでDVDを見つけたので入手。
・鑑賞後に原作本も読む。読後に作者のキャロルが男性であることを知る。
・集英社文庫の北村太郎訳版の巻末の解説には作者のネガティブな情報も開示。フロイト目線なら「彼をタイホしろ!」と思うでしょう。いや、フロイト先生が変態なだけ?
・角川文庫、河合祥一郎訳版が良い。冒頭の詩で訳者の語彙力の凄さがわかる。
・河出文庫「不思議の国のアリス・ミステリー館」、キャロルの本名の正しい読み方が面白い。ドジソン >>> ドッドソン >>> ダドソン(2015年)という変遷らしい。
・新潮文庫、矢川澄子訳版は、挿絵が日本人画家によるオリジナル。あとがきの孤独なアリスという見方が面白い。
・アニメ版は原作の面白い所がカットされているか、上手く表現されていない。アリスの体が縮んで、顎が足のつま先を痛打する場面は見たかった。
・犬は吠えるだけでしゃべらない。オズの魔法使いでも犬はしゃべらない。冥界の使者は怖い。



ナルニア国物語/第一章:ライオンと魔女
・四人の兄弟が体験したナルニア国での冒険ファンタジー。
・原作者が実際に体験したことが元になっているのでは?と思えるほどナルニアの入口がリアル。劇中では少女ルーシーが衣装タンスの中で雪が積もった松の葉に触れてビクッとしていたが、実際に触れたのはタンス内の装飾品で、冷たい金属の尖った所に触れた瞬間、ナルニアへの扉が開いたのだと思う。手の平にチクッと刺さった痛みと冷たさは、戦争の恐怖と疎開先での不安とシンクロする。さらに戦時下のイギリス国民の心理状態とナルニア国の状態もシンクロしている。
・ナルニアから現実世界に帰った時の切なさと、四兄弟が大きく成長した感じが良い。
・カーク教授は原作者のルイスさんだと思う。
・「人間は魂を所有してるのではなく、魂そのものである。人間が所有しているのは肉体である」C.S.ルイス。



オズの魔法使(1939年 米)
・原作未読、予備知識なしで観ました。鑑賞後に原作(角川文庫、柴田元幸訳版)を読んだ。
・内容は、ドロシーの家出願望からくる心の成長物語でしょうか。
・CGに慣れたせいか映像が新鮮。自転車を漕ぐガルチさんや天才子犬、案山子の足の動き、悪い魔女の登場場面、背景美術など見所が多く、[巻き戻し][一時停止]で忙しかった。
・モノクロ演出は原作のアイデア。これは凄い。初めはジャケットの写真を何度も見直して、詐欺?と思った。
・原作:ひとり地下室に入ったエムおばさんは、母の無意識グレートマザーを暗示。グレートマザーの「生」の面は南北のよい魔女として、「死」の面は東西の悪い魔女として現れる。
・映画:赤いルビーの靴は、積極性や行動力、情熱、強烈な個性、自己顕示欲を表す。
・原作:銀の靴は、直観や本能的な衝動、女性性、無意識を表す。充実感や幸福の象徴でもある。
・緑色の光を放つエメラルドは、心の平和や安らぎを表す。
・映画:子守歌同盟やペロペロ飴組合は日本人にない発想でアート的なキモさがある。
・映画:ブリキ男のダンスはMichael Jackson - Smooth Criminalの斜め45度の元ネタ?
・原作:非常時に「ちょっと、○○の様子を見てくる」は世界共通?
・原作:ブリキ男の過去が悲惨。
・魔女、魔法使い、魔術師はそれぞれ別物であることを知る。つまりオズの魔法使いはあのペテン師で間違いない。邦題に「い」が無いのはペテン師だから?



メラニーは行く!(原題:SWEET HOME ALABAMA)
・邦題にミスリードあり。物語全体の印象は原題、邦題はメラニーの性格。
・メラニーは書類にサインするのを忘れたのではなく、出来なかった。無意識側に抑圧された心的内容が悪さをして、突然声が出なくなったり、歩けなくなったり、耳が聴こえなくなったりすることがあります。
・犬が湖の中(無意識)から取ってきた骨(宝物)。メラニーへのメッセージ?
・ジェイクが大切に持っていたガラスの閃電岩は彼の純粋な気持ちを表している。
・銀行爆破事件が面白い。たぶん猫がメラニーで、銀行がアンドリュー。ダイナマイトがメラニーの抑圧された感情、つまりジェイクへの愛。導火線の長さがメラニーとジェイクの心の距離。点火が雷に打たれたメラニーの夢。
・TVドラマ「24」のクロエ役でブレイクする前のメアリー・リン・ライスカブや天才子役のダコタ・ファニングが出演しています。脇役達がとても良い。



プロフェシー(2002年、原題:The Mothman Prophecies)
・謎の蛾男にまつわる怪奇現象と実際に起きたシルバー橋の崩落事故がジョンとコニーの無意識の願望実現に利用される話。
・セカイ系は虚構の現実化を描くが、「プロフェシー」は虚構と現実の等価化を描いていると思われる。つまり怪奇現象という虚構を現実化、さらに橋の崩落事故という現実を虚構化して、二人は願望を実現した。
・録音した電話の声の分析シーンが変。おそらくジョンの妄想。
・コニーの予知夢が心理的に良く出来ている。彼女のキャラ設定も良い。



A.I.
・まさか宇宙人が出てくるとは思わなかった。だが荒唐無稽ではない。間違いなくスピルバーグは宇宙人を知っている。尚、実際の設定は、宇宙人ではなく進化したロボット。
・ブルー・フェアリー(希望)は海の底(無意識の深部)にある。
・丁寧な作り、緊張感のある映像、作り手達の熱意が伝わってくる良い映画。



メン・イン・ブラック2
・エージェントJがアニマを救出して地球を救う。
・MIB1はエージェントKがアニマを意識化して銀河を救う。
・ラストはかぐや姫?



エターナル・サンシャイン
・ケンカ別れしたカップルが互いの記憶を消す手術を受けるが、途中で間違いに気づいた彼はアニマの隠し場所に奔走する。
・アニマを隠すより、必要なのはただひとつ。この答えは真実だ。



クローバーフィールド /HAKAISHA
・シンプルなセカイ系※。
・例えるならアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」に出てくる閉鎖空間の実写版。
・会いたいという二人の想いが謎の怪物を共時的に出現させる。
・プライベートビデオ風なのに役者が映画の演技をする不自然さと、生死がかかった状況でもカメラをまわし続ける不可解さが気持ち悪い。これも危機における認知的不協和の演出?


※セカイ系
・「自己の謎」の解決が「世界の謎」の解決に直結するような意味論の形式を持った、『新世紀エヴァンゲリオン』を出発点とする作品群のこと。
・主人公とヒロインを中心とした小さな関係性の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、『世界の危機』『この世の終わり』などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと。
(宮台真司著「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」の註釈から抜粋)

・ユング心理学でいう人間の魂が生み出すファンタジーのひとつ。頭の中の空想と違い、現実に体験するファンタジーで、いちど動き出すと止められません。
・M・ナイト・シャマラン監督作品の「サイン」は完成度の高いセカイ系洋画のひとつ。ユング派必見。



プッシーチャッツ
・音楽CDにサブリミナルCMを仕込み、ユーザーをマインドコントロールして金儲けを企むのだが…。
・現在、CDの音よりアナログレコードの方が心地よいことが判っているので、聴覚識以下に仕込んだサブリミナル情報は効果があるのかもしれない。
・映像にも大量のCMが仕込まれているので、いくつあるのか探すもの面白い。
・放送法が適応されないネット動画はやりたい放題で、高度な技術を使ったサブリミナル映像を仕込んでいる動画もあります。特に繰り返し見る動画に気をつけましょう。



マトリックス(三部作)
・英雄神話の死と再生、アニマとの結合、影との対決を描く。
・ネオが救世主になるにはマトリックス内で死ぬ必要があった。これは内的な死で、アニマ(トリニティー)と結合することで生まれ変わる。ただし内的な死と外的な死は紙一重なので要注意。
・スミスを破壊したときにネオの一部がスミスに上書きされ、ネオの対極である影が生まれる。これは一人の救世主と複数の破壊者、安定のアーキテクトと不安定のオラクルというふうに互いに補償関係にある。
・アーキテクトが提示した2択でトリニティを選択したネオ。「人類滅亡の危機」に遭遇したらアニマを救えばだいたい大丈夫。
・ネオと預言者オラクルがベンチで会話する場面にいるカラスは影との対決の予兆。キャンディーは大阪のおばちゃんのパロディ?
・最終決戦での豪雨は天と地の結合、つまり対立物の結合を表します。そしてネオは影を受け入れ、ソースに帰る。
・結局、システムの外もシステムという、永遠に続く人間の成長過程とも受け取れる。
・この映画の謎は、wikiの「マトリックスの登場人物一覧」を見ると解決します。



恋愛小説家
・メルビンの手洗い方法や照明のオンオフはやり過ぎだと思ったが、実際の強迫性障害はもっと辛いようです。
 小林司著「心の謎を解く150のキーワード」からの事例。
 1)手を一日に何百回も洗う。
 2)自宅から学校までの道路沿いの家の扉に全部さわる。
 3)枕がベッドの真ん中にないと不安で、両側を物差しで測らないと眠れない。
・キャロルが胸を強調するのは何故か?
 1)単に自分が気にし過ぎなだけ。
 2)身なりに無頓着にすることで生活に追われて余裕が無い感じを表現。
 3)男を求めるキャロルの無意識が胸元を無防備にさせた。
 4)男性視聴者のリビドーを刺激。メルビンと結ばれた時のカタルシスが目的。
 5)サイモンの絵の原点を表現するため。キャロルがバスタブに腰掛ける場面で、母性と横乳が必要だった。これによりサイモンが再生する。女性の胸で何かを表現する手法?は「アバター」にもあって、トゥルーディがナヴィ側についたことを示すのに使われている。
・メルビンのキャロルへの褒め言葉は回りくどいが、説得力がある。
・音声解説で驚く。役者が監督に意見を言ったり、アイデアを出したり、映画会社の意向にも逆らっていることに驚いた。しかも彼らの意見が通って、良い結果になっている。



ロード・オブ・ザ・リング(三部作)
・ファンタジーとは何か?
 1)自律性を持つ。頭の中の空想は止められるが、ファンタジーは動き出すと止めがたい力を持っている。
 2)人間が考え出すものではなく、どこか他の世界から、人間の心の中に湧き出てくるもの。
 3)神秘的なものに対する恐れ、圧倒される感じ、抗しがたい魅力という要素がある。
 4)無意識から湧き出てくる内容に対して、意識が避けることも圧倒されることもなく対峙し、そこから新しく生みだされてくるもの。
 5)魂の現れ。人間の魂は常にファンタジーを人間の心の中に送り込んできている。(ユング心理学では「魂の中に一人の人間が住んでいる」と考えるようです。)
・「指輪物語」の作者トールキンは次のように警告する。「妖精の国は危険なところです。不注意な者には、落し穴が、無鉄砲な者には、地下牢が待ちうけています」
※以上、河合隼雄著「ファンタジーを読む」の序章から抜粋要約
・個人的にガラドリエルがツボ。オープニングのナレーションから嵌る、怪しげな声に。



ドリームキャッチャー
・分裂していた人格の統合過程として見ると辻褄が合う。
・特典映像にあるオリジナル・エンディングによるとダディッツは33歳。カーティス大佐はエイリアンと25年間戦っているので、ダディッツのトラウマ(UFO墜落)は8歳頃に出来たと思われる。そして13歳の時に分裂した人格のうちの4人と出会う。
・ケツを食い破って出てくるエイリアン、ブルーボーイ、SSDDから想像するにトラウマの原因は性的虐待。ジョン・ウェインは謎。西部劇見ないとダメか。
・精神科医のヘンリーは超能力で読み取った過食症患者の秘密を暴露してその患者を怒らせる。
・登場人物のほとんどがダディッツの中の人格と思えば、頭の中を覗かれてもおかしくない。



カサブランカ
・主人公リックの中年の危機を描く。
・国の現状に不満はあるが、リックの経営する酒場は繁盛していた。そんな時、偶然通行証が手に入り、かつての恋人が夫と来店する。
・出国ビザ購入資金を稼ぎに来店した新婚夫婦の妻との会話でリックが動揺したのは何故か?
 1)今の自分がどんな人間(ルノー署長と同類)であるかを気づかされた。
 2)署長に彼女の純愛を壊される様を想像したら、ロマンティックなアニマが壊れた。
 3)若妻の事情とイルザをダブらせ、何も知らず腹を立てていた自分を恥じた。
・ルーレットの出目22番は2組の夫婦を勝たせる(出国させる)意味?
・ラズロ夫妻の出国、店と従業員の生活、ルノー署長の立場、店を営業停止にした少佐のチェックメイト、そして自分の居場所、全てをクリアするシナリオを考えるリック。結末やいかに。
・「君と過ごしたパリの思い出がある」はアニマの意識化。リックは危機を乗り越えた。
・サムのピアノと歌やバンド演奏は酒場と映画の雰囲気を良くしている。女性歌手の歌声は涙腺を刺激する。
・密度の濃い100分。完成度高いです。



第三の男
・三流作家ホリーの個性化の過程での影との対決だが、影の統合ではなく排除を描いている。
・夜中に現れた風船売りの老人は警告を示す。風船を買ったペイン軍曹はその後の捕り物劇で銃弾を受けて倒れる。
・アンナが冒頭の葬儀で棺に土をかけずに立ち去ったのは、棺の中身を知っていたから?最後の葬儀では土をかけた。
・三流作家ホリーはとことんカッコ悪い人物として描かれている。
 1)彼の小説の愛読者に顔を殴られたり、オウムに指を噛まれたりする。
 2)バーでおばさんから花を買うが、視聴者におばさんを買うのかと思わせるような演出がなされている。
 3)その花を贈ったアンナに名前を間違われる。
 4)殺人犯と疑われ、住民に追い回される。
 5)現代小説の講師を頼まれたが全く務まらず、呆れた聴衆が全員帰ってしまう。
 6)やたら人の名前を間違える。キャロウェイ少佐の名前は2回間違えた。
 7)アンナに振られる。
・影の統合に失敗したホリーがアンナに振られるのは当然としても、ハリーの悪を受け入れるにはどうすれば良いのだろう?
 河合隼雄著「昔話の深層」にヒントになりそうな文章を見つけたので少し省略して紹介したい。
 「トリックスターの話のなかには、彼が失敗してしまって袋だたきに遭ったり、殺されそうになったりするところを描いているのもある。トリックスターは低次元においては、単なるいたずら好きの破壊者であるし、高次元でのはたらきは、新しい秩序や建設をもたらす英雄的行為となるのである。確かに、人を騙すことなどは悪いに違いないのだが、それが結果的には道の建設という善に変化するところがトリックスターのはたらきの特長なのである。しかし、問題はトリックスターの破壊力が強いときは、それは古い秩序を壊すのみでなく、新しい建設の可能性まで根こそぎ奪ってしまいそうに感じられることである。我々はそれが単なるゴロツキの破壊者か、創造的な英雄なのか見分けることができないのである。」
・"第三の男"は対立物の結合に必要な"第三のもの"という意味も含んでいるのだろうか。



マン・オブ・スティール
・新聞記者ロイス・レインの個性化の過程を描く。
・ロイスの「言葉のアニムス」が暴走。会社に無断で記事を流出させた彼女は停職処分となる。そして、人類滅亡の危機に。
・クリプトン星は集合的無意識、クリプトン人は元型、地球はロイスの自我。
・クラーク・ケントはアニムス、ジョー=エルは老賢者、ケント夫妻はペルソナ。
・ゾット将軍は自我を圧倒する者、ワールド・エンジンは自我を破壊する装置。
・クラークは地球に来て33年なので、ロイスは33か34歳で彼と同じ年齢。ケント夫妻の強固なペルソナによってアニムスが強いコンプレックスとなる。
・危機を乗り越えたロイスは自身のアニムスを受け入れ、意識化する。映像ではクラークとのキスで表現。
・現実に戻ったロイスは内界と外界が奇妙な一致を見せるシンクロニシティを体験する。



ターミネーター4(原題:TERMINATOR SALVATION)
・いくつかの対立物の合一が見られます。
 1)人間と機械の体を合わせ持つハイブリッドのターミネーター。
 2)抵抗軍の味方であり敵でもある潜入型ターミネーター。
 3)死刑囚の心臓を人類の救世主に移植。
・マーカスの動力源は核なんだろうか?心臓だけであれだけの力は出せないだろうし、何も食べないし。
・スカイネットがマーカスを操れたのは無意識レベルだけで自我意識で抵抗された。これがこの映画のテーマである「人間と機械の違い」なのだが、社会的洗脳を受けた私達と大差ないと思った。
・金属剥き出しのT-800は怖い。



ギフト(2000年)
・3人の子を持つ母親アニーの成長と占い師としてのアイデンティティの回復を描く。
・シングルマザーの苦悩から心的危機に陥る主人公アニー。それを心配した長男が忠告するも聞く耳持たず。
・アニーの車の閉まらないドアや全開の窓ガラスは、未知の世界や新しい出会い、災を暗示します。
・警察はジェシカ捜索の協力をアニーに依頼。その説明をする保安官の背後の窓にドニーの車に似た赤色のトラックが通過するのが一瞬見えます。これはドニーに疑いの目を向けさせるためのサブリミナル映像。ただし気づかれると効果は無くなる。ちなみに日本でも占い師に捜査協力を依頼することがあります。
・アニーが飼い犬の頭を撫でた時、ジェシカのビジョンを見る。犬は冥界の使者とも言われます。奇妙なことが起きたら要注意。
・青いダイヤモンドは性的虐待。



バットマン ビギンズ
・スーツ姿のブルースは男前。前半の放浪の旅シーンでは主役のオーラを感じなかった。
・レイチェルがブルースに渡した誕生日プレゼントの意味とは?
 矢は非難や愛情を表します。なのでブルースのプレイボーイ生活を非難しつつも、昔のブルースに戻って欲しいという願いが込められていると思われる。「矢の先」は二人が結ばれるときにブルースからレイチェルに渡されると良いと思う。
・患者がつぶやく「スケアクロウ(かかし)」について、クレイン博士の解説
 字幕「患者は自分を苦しめる何者かを幻覚の中に見る。ユングの元型のどれかで、彼の場合はスケアクロウだ」
 吹替「妄想の対象はほとんどの場合、患者の内面ではなく外の世界に存在します。これは大抵ユングの元型と一致する。この場合はかかし、スケアクロウ」
・株式公開して直ぐに会社を乗っ取られるとはこれいかに。



宇宙戦争(2005年)
・主人公レイのダメ親父からの脱却願望が、宇宙人を引き寄せ、トライポッドという兵器が人類を脅かす。
・本当の宇宙人は地下室にいた中年男のハーランで、レイは娘を守るために狂ったハーランを黙らせるかの決断に迫られる。
・前半のレイは銃を持つ手が震えて引き金を引けず銃を落としていたが、果たして?



サイン(2002年)
・主人公グラハムの神への信仰願望が世界各地にミステリーサークル、UFO、宇宙人を出現させる。
・最終決戦は宇宙人との対決だが、実際の相手はテレビ。ラジオやレシーバーや本、どれも水に弱い。
・家の窓から外の景色を意味ありげに映すシーンがあって、窓ガラスが波打っているので景色が歪んで見えます。これは見る者の心が歪めば外界も歪んで見えるという例えか。
・深刻な内容な割にギャグ満載。
・M・ナイト・シャマラン監督作品で、この「サイン」と「シックス・センス」は完成度が高い。


ヒント
・UFO … 未知の体験をする前ぶれ。
・ミステリーサークル … 誰が作ったのかよりも、見た人の心にコンステレート(布置)したかどうかを重視する。
・宇宙人 … 重要なことを知らせるメッセンジャー。重大な決断を迫る者。映画では視聴者に分かりやすく目に見える形で表現しているが、実際は創造的な方法で心の中に現れる。



ブルークラッシュ
・フロイトの理論、トラウマになった出来事を再体験することでの除反応が描かれているのだが、レビューサイトで、「どうやってトラウマを克服したのかが分からない」という意見をいくつか見つけた。劇中でその訳を理解されるような演出が必要だと思った。
・当時、斬新な映像で話題になっていた記憶がある。



パラノーマル・アクティビティ
・低予算ながら恐怖を感じるさせる多くのアイデアが光る映画。
・男の好奇心や冒険心が彼女を精神的危機に陥れ、大惨事を引き起こすパターン。
・後発のUFOロズウェル事件を題材とした「マジェスティック12」も同様。アマゾンで酷評されているが自分の評価は高い。



ミステリー・ゾーン①(原題:THE TWILIGHT ZONE)
・25分弱の短編が3本入ったDVDで、その中の「死神につかれた男」が秀逸。
・主人公は引退間近の露天商人ルー・ブックマン。彼は死神に死を宣告されるが、上手く交渉して執行猶予を取りつける。そんな時、ルー宅に遊びに来る少女マギーが交通事故に遭う。そこからルーと死神の対決が始まる。



Mr.&Mrs. スミス
・この映画は危機を迎えた夫婦のカウンセリング場面から始まる。
・やがて心の状態とシンクロするように修羅場が訪れる。
・全てを破壊、再構築して夫婦が生まれ変わる過程を描く。



ホステージ ・ブルース・ウィリス扮するジェフ・タリー警察署長が1年前の人質事件の落とし前をつけるサスペンス・アクション。
・序章でジェフが使っていた交渉用の携帯電話と、あとに出てくるマイキーの靴。これが現実に起こりうるから怖い。靴は社会的役割を表します。
・ジェニファー部屋の物置の扉に貼ってある6枚のタロットカードがスミス家を占ったもの。
・スミス家人質事件の任務から外れたジェフだったが、トミー部屋のテレビに映るジェフ、その正面にトミー、うしろに宇宙人人形。これでジェフと人質犯の対決が確定。
・マースとってジェニファーは霊的アニマ。母への想いが霊的にまで高めたのだろう。
・DVDのタイトル、少年の赤い服、金の腕時計などの小道具がサスペンスを盛り上げる。
・スミス氏の仕事と顔、そして現実で進行中の事件。黒幕は?と考えると、誰か消されるんじゃないかと心配になる。



チャーリーとチョコレート工場
・児童書が原作、ジョニー・デップ主演のファンタジー映画。
・まず、チョコレート工場を主人公ウォンカの意識、工場の外を無意識、招待客を彼の自我を脅かす者とする。
・ウォンカが克服している食欲、物欲などの過剰な欲望を撃退するのは朝飯前で、同伴者共々お灸を据えます。
・しかし最後に残ったチャーリーは彼が今まで避けてきた問題であった。
・ウォンカはチャーリーの助けを借りてその問題を克服する、という物語。
・道端に落ちていたお金の意味を考えてみた。
 1)ウォンカが落とした大事なもの。
 2)チャーリーにとってのウォンカの価値。
 3)お金では買えないもの。
・他にも、燃える人形、ウンパルンパ、靴磨きなどの意味を考えるのが面白い。
・無意識の深~い所にある宝物は、チャーリーのおんぼろの家の様な所にあります。



アバター(2009年)
・ジェームズ・キャメロン監督作品で3D映像が話題になりました。
・ドラゴン退治と錬金術を組み合わせた主人公ジェイクの自己実現の物語。
・第一質料:ネイティリとトルーク。
・黒化:ジェイクはイクランと絆を結び、ネイティリと契りを交わした後、裏切り者としてオマティカヤ族から追放、アバター計画の任務からも外され軟禁状態に。
・白化:研究所を脱出したジェイクは”最期の影”と結合して、伝説のトルーク・マクトが誕生。
・赤化:再びオマティカヤ族に迎えられ、15部族が集結、ドラゴン(大佐)を倒す。
・そして、人間ジェイクとアニマ(パンドラ星=エイワ)と結合して、真のナヴィ人ジェイクが誕生!
・ジェイクのアニマイメージは、緑があった頃の地球。
・情報量が多いので見るたびに新しい発見があります。



ターミネーター3
・周りでが吼えている中、檻の中のジョンと会話するケイト。これはケイトや彼女の近しい人に危機が迫っていることを示します。
は身代わり。女ターミネーター(TX)の目標は人間(抵抗軍)なので、代わりに飼い主が犠牲になった。この場合、猫が身代わりとなる飼い主を連れてきたと考える。
・ジョンは山道をバイクで走行中、鹿を避けたときに転倒して怪我を負う。そして身元がバレない動物病院へ。そこでケイトと運命の再会。動物が係わっていることが面白い。
・心理学をプログラミングされたシュワネーター曰く、「怒りは絶望より役に立つ」。
・印象に残るシーンが多いので好きな映画です。クレーン車が縦に転倒、棺を担いだシュワネーターが機関銃をぶっ放す、TXが磁場発生装置に磔になって溶ける。シュワネーターの首もげは除く。



危険なメソッド
・ユングやフロイトの心理学をかじっている人に必見の内容です。
・ユングとグロス博士のやり取りが面白い。ユングの不倫をフロイトが画策したような印象を受けるが、ザビーナとの関係はグロスに会う前かららしい。
・妻から贈られた紅い帆のヨットでザビーナと寝るユング。
・外在化現象の音が想像していたのと全然違った。たぶんザビーナのお尻とフロイトを叩く音の3種類が混ざってる。
・ユングの眉間のしわ、勝負演技のザビーナ、フロイトの口調、良いです。映像も綺麗。
・ザビーナ「もし性行為が相手と融合することなら、個は個の中に没入し、自己は破壊されてしまう。だから自己防衛が働いて性は抑圧される。本当の性衝動は自我を破壊するが、新たな存在を生む創造的な力でもある。」
・ユング「病気の正体を探るだけでなく、患者の再生を助けたい。患者が目指す人物に導きたいんだ。正気の医師には治せない。」



メン・イン・ブラック
・中年男性Kの心的危機を描く。危機は人類でなく銀河で、やたらスケールが大きい。
・怪物に飲まれたKは、その体内で宝物を見つけて帰還するという死と再生をテーマにした英雄神話。
・ゴキはほんと気持ち悪いが、危機における認知的不協和の気持ち悪さを表現するためと思われる。オープニングのトンボのどアップから危機が始まってます。
・最後の新聞の見出しが良い。「35年間、眠り続けてた男が恋人の胸へ」
・これを現実の出来事に置き換えると… 1961年、Kは意中のエリザベスに花束を贈りに彼女の家に行く途中、事故に遭って昏睡状態に陥る。夢の中でMIBの一員になる。35年後、銀河を救うために戦った怪物の体内で魂(アニマ)を見つけ、目覚めた。
・もう一つは、サブカル青年Kは失恋を契機にオカルトの世界に没入し、闇(MIB)を彷徨う。35年後、心的終末の危機を迎えるが、ここ一番の勇気が出て偶然宝物を見つける。そして現実に帰る。
・サントラ良いです。エンドロールに流れる曲のイントロがカッコイイ。



レッド・ドラゴン(2002年)
・犯罪精神科医、レクター博士3部作の第1章。映画では「羊たちの沈黙」「ハンニバル」に続く3作目で、連続猟奇殺人犯Dの物語。
・まず、変に思ったのがD宅に祖母の肖像画が飾ったままなこと。Dの中のもう一人の人格が自我を支配するために飾らしているのだろうか。これは怖い。
・Dが木に刻んだ文字「中」は麻雀の三元牌の「中」でレッド・ドラゴンとも言われる。つまり、中の龍=無意識の龍=グレートマザー=祖母。しかも普遍的悪と結合した怪物。
・Dが恋をすると英雄神話のように倒されるのを恐れるドラゴン。ここから自我とドラゴンの戦いが始まる。
・おまけ:全裸でリーバを探すDはフリチン。何かプラプラしてます。
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